みんなで選ぶ薬局アワードは、患者さんのこの一言から始まった企画です。
全国におよそ6万店舗ある薬局。そのひとつひとつに、患者さんのための工夫があります。待合室の椅子の間隔を広げたこと。飲み忘れに気づける仕組みを入れたこと。外国語の問診票を用意したこと。
でも、それが外に伝わることは、ほとんどありません。
「薬局って、どこも一緒じゃないの?」
伝わらないから、患者さんには「どこも同じ」に見える。薬学生は薬局への就職に前向きになれない。現場の薬剤師は、何を目指せばいいのかが見えなくなる。経営者ですら、これから薬局がどこへ向かうべきかの手がかりを持てないままになる。
薬局アワードは、その断絶を埋めるための場です。

特別なことは、いりません
エントリーをためらう理由として、いちばん多いのがこれだと思います。
うちは、そんな大したことはしていないので。
けれど公式に挙げられている応募事例を見ると、その基準がかなり違うことがわかります。
- 車椅子の方が多いので、玄関を広くし、待合室の椅子の間隔を空けている
- 投薬をすべて個室で、時間をかけて行っている
- 他業界の接客のプロを招いて、年2回スタッフ研修をしている
- 独自の問診票をつくり、検査値の改善につながった実績がある
施設や空間の工夫でも、社内研修のことでも、いま進行中の取り組みでも構わない、とされています。
評価項目も、規模の大きさを問うものではありません。重視されるのは「患者視点」と「背景・思い」の2つ。そこに社会性・再現性・独創性・将来性を加えて、総合的に判断されます。
つまり問われているのは、何をしたかより、なぜそれをしたかです。
長年あたりまえに続けてきたことほど、自分では「工夫」だと気づけません。あなたの薬局のあたりまえは、全国から見れば、まったくあたりまえではないかもしれない。その可能性を確かめる場でもあります。

書くこと自体に意味がある
調剤報酬をとりまく環境が厳しくなるなかで、これからの薬局には差別化が求められる——そう言われて久しくなりました。
けれど差別化は、新しいことを始めることだけを指しません。すでにやっていることに、自分たちで言葉を与えることも、まぎれもない差別化です。
- 自分たちの薬局が何を大事にしてきたのか、が整理される
- それが外に伝わり、患者さんが選ぶ理由になる
- そしてスタッフが、自分の仕事の意味を知る
エントリーシートを書く作業そのものが、この3つを同時に進めます。選ばれるかどうかより前に、書いた時点で得られるものがある。ここが、このアワードの本当に良いところだと思っています。
さらに一次選考を通過すると、全国の薬剤師との交流の機会も用意されています。同じように考えている人が、他の地域にもいる。それを知ることは、日々ひとつの薬局のなかで判断を重ねる経営者にとって、決して小さくない財産です。

YAKUNOWAが、このアワードに関わる理由
YAKUNOWAは、薬局経営者と薬剤師がつながるためのコミュニティです。
私たちが取り組んでいるのは、それぞれの薬局が単独で抱えている知見を、外に開いてつなぎ直すこと。良い取り組みが一店舗のなかで閉じてしまうのは、業界全体にとって大きな損失だと考えています。
薬局アワードは、それをもっとも大きなかたちで実現している場です。
だからこそ今回、一般社団法人 薬局支援協会が主催する「第9回 みんなで選ぶ薬局アワード2026」に、共催として参加しています。2年ぶりの開催です。
開催・応募概要

- エントリー受付:2026年8月1日〜8月31日
- 選考:9月に一次選考、10月に二次選考
- 最終選考会:2026年11月7日 13:00〜17:30
- 会場:中野区役所「ナカノバ」(東京都中野区)
- 開催形式:会場開催
- 主催:一般社団法人 薬局支援協会
- 共催:一般社団法人 日本ウェルネスプロフェッショナル協会/YAKUNOWA
最終選考に進んだ薬局は、一般の方を対象とした決勝大会で、自分たちの取り組みと想いを発表します。審査員と参加者の投票によって、最優秀賞と特別賞が決まります。
エントリーの受付は8月31日までです。
「特別なことはしていない」と思っている薬局にこそ、書いてみてほしいと思っています。書き始めてはじめて、自分たちが積み重ねてきたものの形が見えることがあります。
「第9回 みんなで選ぶ 薬局アワード」参加エントリー受付中!
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